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発見までの経緯

e0148926_1718136.jpgフランソワ・ルクレー、ギー・ファダ、ジャック・プルースト。フランスはモンペリエ近くにあるラロック村に住む3人の男たち。彼らは蚤の市や古美術商、中古のガラクタ店をまわっては何か面白いものはないかと物色する事を日々の日課にしていた。

その出会いは、足音もなく3人の前に訪れた。1998年10月12日。その日も彼らは愛しいガラクタを求めて、朝から活動を開始していた。しかし興味をひくモノがなかなか見つからない。これが最後、と少し回り道をして町の小さな中古用品店に足を運んだ。骨董品店というより、リサイクルショップのようなゴチャゴチャとした店内には、古ぼけた時計や汚れた机、型落ちした家電が所狭しとひしめき合っていた。そこで男たちが目を止めたのは、大きな柱時計の横、古い冷蔵庫の上に鎮座していた49×59cmほどの小さな絵画。何年も売れ残っていた様子の絵は、まるでタールの塊のように暗く薄汚れていて、もはや何が描かれているのかもわからないほど。価格は2000フラン。「どうせどこにでもあるようなガラクタだ」。軽い気持ちで値切り交渉を持ちかけると、店主もその絵の価値をはなから信じていなかったのだろう、1500フラン(日本円にして約3万円)であっさり値段交渉は成立。こうしてその絵は男たちの手に渡った。当然、この絵が誰の手によるものかなんて知る由もない。

その帰り道、たまたま通りすがった近所の友人がその絵に興味を持ち、フランソワの家でお披露目会をすることになった。するとその友人は絵を見た瞬間にこう言った。「レオナルド・ダ・ヴィンチを彷彿とさせるわね」。この言葉が全ての始まりだった・・・。

2、3週間後。彼らはこの絵をクリーニングすることを思いつき、年月をかけて真黒に汚れていった絵を丁寧に洗い始めた。やがてその姿が徐々に現れるにつれて、男たちの間に言いようもない緊張感が漂い始める。姿を現したのは口元にやわらかな笑みを浮かべながら、赤ん坊であるイエスに乳を与える聖母マリアだった。その横にはそっと寄り添うヨハネの姿も。しかもその絵にはイタリアのルネッサンス時代によく描かれた、ピラミッド型の構成がはっきりと表れていたのだ。
また、この絵の下地になっている板を見たとき、箪笥職人であったフランソワが衝撃の発見をする。職業柄、木材にくわしい彼は、その板がとても古いものであることに気づき、さらに「モナ・リザ」が描かれている木材と同一であることを突き止めたのだ。
「これはどんなに新しく見積もっても、17世紀以前のものだろう。」
いつからか3人の脳裏に同じ考えがよぎるようになっていた。まさか。でも、ひょっとすると・・・。いや、でもまさか。誰がいちばん最初に口にしたのか、今となっては定かではない。しかしおそらく3人の男たちは、ほぼ同時に同じ期待を抱きはじめていた。

「この絵はレオナルド・ダ・ヴィンチの作品ではないか」

e0148926_17184993.jpgイタリアのルネサンス期を代表する、言わずと知れた天才画家。彼らは恐れ多くも、この絵がダ・ヴィンチ、またはレオナルド派の手によるものだとの想いを持ち始めた。その想いはやがて、次々と明らかになる真実によって揺るぎない確信に変わっていくのだが、それはまだ少し先の話。

1999年。3人の男たちの長く厳しい、しかしロマンにあふれた冒険記がスタートをきった年だった。
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by laroque | 2008-11-20 15:15 | 発見までの経緯
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